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Selfishly

Selfishly

Radiant,Ever Forever 番外編

 ●●● Occasionally ●●●

               注:このお話は18Rです。









「……… た、だいまぁー」
 玄関先で小さめの声でそう挨拶を言いながら、エドワードはそっと様子を窺いながら入って行く。いつも忙しい恋人が居なければ良いのに等と思いながら、帰って来るのは初めてだ。
 まぁ、入る前から点いていた家の灯りに、そんな願いが叶うはずもないことは判っていたのだが…。

「お帰り、エドワード」
 暗い玄関先から返された突然の返事に、思わず「ひっ!」と驚きの声を上げてしまう。エドワードと対照的な彩の持ち主は、じっと気配を殺していると、闇と同化してしまうようだ。
「あ、…ただいま」
 おずおずともう1度帰宅の返事を返すと、ロイが一歩足を進めてくるので、エドワードは次に来るものを予想して咄嗟に首を竦めてしまう。
「どうしたんだい? いつまでもそんな処に立ってないで、早く入っておいで」
 エドワードはそのいつもと変わらぬロイの優しい言葉に、拍子抜けさせられた。ちらりと上目遣いに相手を見てみれば、柔らかな微笑を浮かべて腕を差し伸ばしているようだ。
「あ…、うん」
 てっきり叱られると思っていたから、心の中でほっと安堵の息を吐き出しながら、ロイの傍へと歩いていく。
 最初と立ち位置が変わらない場所で佇んでいるロイの様子は、薄闇で判り辛い。
 どうして灯りを点けないのだろうか? と思いながらも、その場所に長居をするわけでもないしと思い直す。
 そして傍まで寄って判った事は―――。
 グィっと腕を掴まれ引き寄せられた先にあるロイの表情は。

 ――― 目、目が笑ってないぃ…。

 ヒィーと内心で叫び声を上げていると、ロイが抑えた声でゆっくりと喋りだす。
「エドワード? ――― 約束を、守らなかったな」
 そう告げると、意地の悪い笑みを浮かべてエドワードを睨みつけてきたのだった。



 ――― 言いつけを守れない悪い恋人には、お仕置きが必要だ。

 そう嬉しそうに言い切ると、ロイはエドワードを寝室に引きずり込んでうつ伏せに横抱きにすると。

「い、痛いっ! 痛いってぇー!」
 下着ごとズボンをずり下げると、その白く円やかなエドワードのお尻に、容赦なく平手を打ち込んだ。
 パシッ パシッ パシッ
 と小気味良い音を立てながら、ロイは無表情にエドワードの抗議を黙殺している。
「ゴメン! 俺が悪かったってばー!」
 痛みよりも、良い歳になって折檻に尻を叩かれている現実に、思わず羞恥で涙ぐんでしまう。
「… 全く、君は―――。あれ程、無茶をしてはいけないと言っていたのに…」
 旅に出る前に、毎回「無茶をしない事」と言い聞かせていると云うのに、エドワードがそれを守って何事もなく帰って来ることの方が稀なのだから。その度に小言を言って聞かせるロイの虚しさも判って欲しい。

 数日前。
 旅先のエドワードから、不正を働いているとの連絡を受け。ロイと軍のメンバー達は、急ぎ証拠固めと取締りの為の人員を動かす為に奔走したのだが。現場に駆けつけた兵士達が踏み込んだ先には、不正の現場に単身飛び込んだエドワードが、一暴れした後だった。
 その報告を受けたロイが、「帰って来い」と強制恋人権を発動させ、エドワードは渋々、旅から急遽戻ってくる羽目になった。

 8回目と数え上げながら、喚きつかれ大人しくなったエドワードのお尻に平手を打つ。
「どうして後少し、待てなかったんだ。今回は相手が武器を所持していなかったから良かったものの…」
 はぁーと大きな嘆息を吐きながら、9回目の平手をお見舞いする。
「……… 仕方ないだろぉ。折角、現場に当たったんだ。なら、ちゃっちゃと踏み込んで押さえた方が…」
「それは軍の管轄だ。君が首を突っ込む処じゃない」
 10回目の平手を降ろして、ロイはきっぱりと否定する。
 エドワードの多少の事は、通常の人達の範疇を軽く越えている。
 その都度、怪我をして帰ってくる恋人を死ぬほど心配している気持ちを察して欲しい。
「とにかく、今回は君の先走りだ。罰は必要だろう?」
 そのロイの言葉に、まだ続くのかとげんなりした表情を浮かべて返すエドワードに、ロイはにやりと人の悪い笑みを浮かべて返す。



「はっ…ん ―― あぁ…んンン…」
 苦しそうに喘ぐエドワードの切ない声が木霊する。
 ロイは額に浮かんだ汗を手の甲で拭うと、目を細めて組み敷いた身体を鑑賞する。
 白い裸体が、先ほどから小さく痙攣を繰り返している。小波のように続く快感に焦れ、次を焦がれているのだろう。
 ロイはエドワードの両足の真ん中に立ち上がっているソレを掴んで、きつめに扱き上げてやる。
「あっ、う あ、あ、あ、あっっぅ…」
 深海を泳ぐ優美な魚のように、身体をくねらせるエドワードが堪りかねて頭を左右に打ちつけ始める。
「君には―― こちらの方が効くだろう?」
 元々、感じやすい体の持ち主だ。特に最近は、ロイの手塩に掛けた愛情表現のおかげで、どんどんと拓かれて行ってる。
 エドワードが感じ入ると、トプリと蜜を零すそこは、もう随分泣かされ続け、太腿やシーツ、そしてロイの手を濡らしている。
 柔らかな内股に噛み付いてやれば、ふるふると震えながらトクトクと湧き水のように溢れさせてくる。
 それを舌ですくい上げながら、ロイはエドワードに語りかける。
「どうだい? 随分、苦しそうだが…。これに懲りたら、余計な事には首を突っ込まないこと。今度こそ、きっちりと約束してもらおうか」
 返事を促すように、ロイは先端に爪を立ててやる。
「…っ! ヒィッア…あああぁぁぁーーー!」
 生身の白い足が宙を蹴る。その反応の良さに、ロイは嬉しそうに魅入っている。
 
 が…、そこまでされながらも、さすがはエドワード。
「―― っ、くそぉー。仕方、ないだろ…、見てみぬ振りなんて出来ない、んだから」
 身体中上気させ情欲にその身を蕩かせていても、それに堕ちることはしない鋼よさ。
 ロイは苦笑をしながら、内心諦めもする。
 彼に手加減、穏便などと云う言葉が、通用するわけがなかったと…。
 が、それで甘い顔をしていれば、この恋人がどこまで突っ走って行くか、判ったもんじゃない。

「―― そうか。……… なら、そのままでいなさい。私は先に達かせてもらおう」
 ロイは身体を起こすと、先ほどまで叩いてほんのりと紅くなっているエドワードの尻たぶを掴むと、もう十分に解されている場所へと勢い良く突き射れたのだった。

 ギッシ ギッシ ギッシ ギシギシギシと音が鳴るほどの突き上げをしてやれば、それに呼応したように心地良い声が上がる。
「あっん あっんン ああぁ あっ、あっ、あっぅぅぅーーー」
 その声を聞いているだけでも、腰の熱が上がっていきそうだ。
 ロイは身体中から汗を滴らせ、はっはっはっと忙しない呼吸音を吐き出している。
「そ…ろ、そろだ――」
 限界まで大きくなったソコが、我慢に我慢をして。
 思いっきり、熱い奔流を吐き出した。

「くっ…ぅ っぅ―――」
 ロイが腰を震わせて達している瞬間に、エドワードも悲痛な声を上げていた。
「あっう…っう ろ、ロイぃー お、俺もぉ お願いっっっー」
 エドワードは押さえつけられた手の指で、ロイの掌に爪を立てる。
「ああ――― 最高だ、な………」
 滅多に聞かせてもらえないエドワードのお強請りの言葉も貰え、
達けないでいるエドワードの中は、縋りつくようにロイを締め付けてくるのだから。
 達した余韻を十分に味わってから、ロイは困ったような表情でベッドに伏しているエドワードの身体を見つめる。
 どうやら、溜め込みすぎた快感で意識を失ってしまったらしい。
 持ち主が気を手放しても、ソコは自己主張し続けているように健気に勃っている姿を見せている。
 ロイはそこに手を伸ばして、結わえていた紐を外してやる。
 待ちかねていたように雫を吐き出すエドワードの腰は、意識が無くとも小刻みに揺らされている。
「――― 少し、苛めすぎたか…」
 ほんの少しだけ反省をして、泣き疲れたエドワードの頬にかかる髪を撫で付けてやる。
「出来るだけ、私を長生きさせてくれよ」
 刺激的過ぎる恋人との付き合いは、なかなか心臓に悪いことが多い。年上の恋人としては、これ以上自分の寿命を縮める行動は控えて欲しいものだと願う。

 左指に嵌っている指輪に口付けしながら、心から祈る。
 愛しい人の存在を損なうことのないようにと…。

                               Final


(コメント)
ここまでお付き合い頂けて、ありがとうございました!
そして「番外編も楽しみにしてます」のコメントを頂け
これ以上の喜びはありません!!
鋼の原作が終わった時、「これで彼らの旅は終わったわけじゃない!!」
そう心底思いました。そんな当時の情熱が書かせたお話です。
拙いけど、自分には思い出深いお話です。
そして、まだまだ鋼&ロイエドLoveは止まりません。
夏・秋に向けて錬成頑張りますね~♪
あ、6/1のロイの日もUP上げる気ですが。(〃⌒∇⌒)ゞ
また覗いてやって下さいませvv  ラジ


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